活動報告
2021.09.09
自分だから活きる伴走スタイルを、若者と関わりながら見つける
実際に挑戦してみるから気づけることがある、というのは若者に限った話ではなく、私たち大人も同じだと思います。
今年も、サンカクシャは跡見学園女子大学大学院の学生さん2名の実習の受け入れをしていました。5月から8月の間、若者の居場所「タマリバ」本郷拠点に毎週水曜日の計14回通い、14時から20時までの間、とにかく若者と過ごしてもらう、というのが実習内容です。
実習当初は、サンカクシャの若者との関わり方に、2人はすごく戸惑っていました。戸惑っていた要因は、「なぜ自己紹介をしないの?」「事前に若者の情報をもっと教えてほしい」「何もしない時間ってどうなの?」など。
居場所では、若者と関わった後の、振り返りの時間を大切にしています。その中で2人に疑問点を話してもらい、職員がそれに答え、若者と関わる上で大切にしていることや思いを共有。それを受けて思ったことを彼女たちに正直に話してもらう、という日々を重ねてきました。
学校で新しいクラスの担任だったら自己紹介ってよくあるけど、友達の友達に初めて会う時にはそんな固い挨拶しないように、自然の関わりを大事にしたい。「自分が若者のためにこうしたい」という計算を優先させるコミュニケーションじゃなくて、若者と関わる流れの中で、その時のその子に必要な自然な提案、自然な関わりをしてほしい。という振り返りを重ねる中で実習の終盤には、彼女たちがサンカクシャのスタイルを理解して、若者との関わり方に反映させようと努力してくれている様子が、すごく伝わってきました。
今回の実習を通じて彼女たちには、サンカクシャのやり方がいいということではなく、サンカクシャの伴走支援スタイルの中で、納得がいく部分があれば吸収してくれれば嬉しい。「そういうやり方もあるけれど、私は違うと思う」、とか「私には合わない」、ということに気づき、将来、自分がどんな支援者になりたいかのイメージを膨らませてもらえればいいな、と思っていました。
そんな彼女たちに、「七夕、何かイベントを企画してみて~」と、無茶ぶってみました。
今の本郷拠点の若者たちは、新しいアクティビティがいい刺激として受け取れる段階。若者の成長を職員と共に感じ、よりよい支援について一緒に考えてきた実習生2人が、どんなことをしてくれるのか見てみたい!という興味もありました。
当日は、2人が考えてくれた流れに沿って、七夕の飾りを作り、薬味がものすごい種類のそうめんとフルーツポンチを皆で作りました。若者たちは、飾り作りには正直誰も興味を持たず(笑)。調理の頃くらいにやっとやる気スイッチが入って、皆それぞれが役割を自ら見つけ、イベントを楽しんでいたようです。
その日の振り返りで実習生2人に感想を聞くと、「イベントとして失敗だった」と。七夕の飾りを作る際、若者が誰一人参加しなかったため、そもそも飾りを作るという内容が若者の趣向をくみ取られていなかったのではないか、もっと声かけで工夫ができたのではないか、との反省点が挙げられました。
確かに、飾り作りに参加した若者はいませんでしたが、若者たちは彼らなりに「実習生が自分たちのために何かしようとしてくれている」ということを感じていて、この日は、若者たちが実習生2人に話しかける場面が確実に多く見られました。また、2人が用意した短冊には、帰宅間際、ちょっと面倒くさそうにしながらも、何だかんだ皆が書き上げていました。
実習生2人がイベントを企画してくれたからこそ、若者それぞれのペースで周囲の状況を感じ取っている様子や、彼らなりの思いやりの行動をみることができました。
実習生2人プレゼンツ!七夕企画!は、失敗ではなかったと、強調したい。
2人に企画から実施まで動いていただけたことで、「ボランティアの方々にも、もっと活躍してもらおう!」と改めて感じました。色んな大人と出会う機会に慣れてきた若者たちが、今度はその人達から刺激をたくさん受け、視野を広げていける機会をつくるよう、引き続き工夫を重ねていきたいです。
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ライター
木口未優
文京区担当
活動報告
2021.09.09