何気ない言葉の片隅に

「自分との戦いなんです」
「休むと後ろに退がっている気がしてしまって」

若者とやり取りをしていると、何気ない言葉の端々に、彼らの心の内を垣間見ることができる。
今自分が置かれている状況をどう捉えているか。それは普段使いの言葉によく現れる。
言葉は祈りにも、呪いにもなる。時にそれは背を押す風になることもあれば、自由を奪う鎖にもなってしまう。

状況そのものを変えてあげることはなかなか難しい。
どんなに「一緒に頑張ろう」と言葉にしても、何かを肩代わりしてあげることはできない。
結局頑張るのはその人自身だから。

そんな時、僕にできるのは、微力でも言葉を尽くすしかないのだと思う。
対話して、状況を見つめて、少しでもその雁字搦めになった心に隙間風が吹くように。

気軽に「なんとかなる」なんて言えない。往々にして人生は思うように転がってくれはしない。
けれど、物事はなるようにしかならないから、「なんとかできる」ように、
そのための知恵と術を身につける手伝いができたらなと思う。

戦わずとも、得たい未来に手が届くように。
急速することが、また強く駆け出すための助走だと気がつけるように。

これからも、何気ない言葉の片隅に寄り添える人間でありたい。

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