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特集・企画

2023.05.16

若者がサンカクキチで仕事体験できる機会を募集 〜働く自信がない若者の一歩目を応援する”内職クエスト”〜

2022年度のサンカククエストの活動を振り返ってみて、見えてきた課題があります。
それは若者がチャレンジするハードルをいかに下げられるか、ということです。

サンカククエストは、働く自信がない若者の一歩目を応援する仕事体験プログラムです。
若者を応援したいと思う方から仕事(クエスト)をいただき、若者が安心して参加できるように、サンカクシャが間に入ってサポートしています。

具体的には、カフェの接客やレジ打ち、会計の記帳代行、畑の収穫作業、イベントの受付などのクエストに、若者が参加しています。

サンカクシャのサポートとして、若者に実行可能な作業内容を切り出したり、事前に打ち合わせを設定したり、当日も相談に乗ってくれるサポーターを手配、もしくはスタッフが同行したりと、若者の不安を取り除けるような働き方を柔軟にコーディネート。

若者がクエストをクリアするたびに、小さな成功体験となり、関わる人とのつながりや、誰かの役に立つ喜びを感じてもらうことで、自信をもってほしいと願っています。

若者が居場所であるサンカクキチや、サンカクシャが運営するシェアハウスで安心感を得て、次の一歩を踏み出すとき、選択肢のひとつにサンカククエストがあります。しかし小さなつまずきにより参加できない若者がいるということがわかってきました。

つまずきの多くは「決められた時間に働くことができない」ということ。

その理由としては、家族からの暴力的行為により心の調子が狂ってしまった子、昔から体調が安定しなくて学校に通えなかった子、自分に自信がなくてモチベーションを維持できない子など、さまざまだと思います。
朝起きて、ベッドから起き上がることができない。せっかくクエストを予定して楽しみにしていたのに、キャンセルしなくてはいけない。それは周りの人に迷惑をかける。そんなことの積み重ねが、本人にも苦しいことは想像に難くありません。

サンカクシャにつながる若者は「就労支援」の前に、心や身体を整える必要がある。参加しやすくて、それでいて本人に楽しいと思ってもらえるように。
そうしてクエストを通じて、誰かの役に立って嬉しい、自分もこんなふうに生きてみたい、といった意欲を育むことが重要だと考えています。

サンカククエストではどうにもできなかったこと

サンカククエストは、協力してくれる方のおかげで、これまでも多様な種類のクエストを実施することができました。
実施する中で見えてきた、働くことに難しさを感じる若者の特性を少しだけ整理してみます。

・働かなきゃと思うけど、今までの生活習慣を変えられない
・自分では決められない、責任を負うことが怖くてチャレンジできない
・やりたい気持ちはあるけど、予定に合わせて体調を整えることができない

そこでサンカククエストでは、知り合いが一緒に参加することで安心感を、誰でもできるような仕事を切り出して、成功体験を積めるような設計をしてきました。
時には、朝が弱い若者をスタッフが起こしたり、道が覚えられない若者と一緒に職場まで同行したり、できるだけ自然な形でサポートをしています。

ただ体調だけはどうにもならなくて、もちろん根性論で解決することもできず、若者に委ねる部分が大きい。それだとクエストを任せることが難しくなってしまいます。

クエストを依頼してくれる方の中には、当日キャンセルも飲み込んで、仕事を提供してくださる方もいるので、本当にありがたく、頭が下がる思いです。
ただ体調不良で休む本人には、「迷惑をかけてはいけない」とプレッシャーにもなるので、次にチャレンジする気持ちが折れてしまうこともあります。クエストの提案や、日程を調整する私たちスタッフも、落ち込んでいる若者を励ますことしかできませんでした。

若者が自分のペースでできるクエスト

そんなとき、サンカクキチで実施する『内職クエスト』に助けられました。
主には、資材を預かり、簡単な作業を、余裕のあるスケジュールで納品するというもの。
実施すると、こんな効果があることが分かってきました。

・当日キャンセルしても負担にならない
・好きなときに来て、好きなときに帰ることができる
・自分の無理のないペースで作業できる
・サンカクキチに遊びに来ている子とも仲良くなれる
・みんなと一緒の空間にいるのが楽しい・安心
・それでいて達成感がある

サンカクキチという居場所は、若者にとって安全地帯なので、ここでなら頑張れるというのは納得できるかと思います。

加えて、ここに来ればクエストができるという理由で、サンカクキチに通う習慣がつくのも、とてもいいポイントだと感じています。
失敗してもいいから決まった時間にキチに通うことは、体調を整える訓練にもなりますし、定期的にスタッフと顔を合わせるおかげで、若者の状況も把握しやすくなります。

内職クエストの事例

たとえば2022年度に実施したクエストを紹介します。
若者の状況に応じて、納期などは大きく変わってしまいますが、参考にしていただければ幸いです。

ケース1)1ヵ月でDM封入・発送クエスト

納期は短かめでしたが、事務作業が好きな若者が喜んで作業してくれました。1日で終わるかな?と思ったけど、思ったより大変だったようで、2日かけてもぎりぎりでした。

作業内容:
・A4チラシ3種類(約900枚)を3つ折り
・封筒に宛名シール・送り主シール・切手を貼る
・テープのりで封とじ
・合計370セットを郵便局に持ち込む

作業時間:6時間×2日間程度
納品期限:問合せから納品まで1ヵ月
資材:発払いでキチへお送りいただき、切手もすべてご用意いただいた
報酬:1万円
参加者:1名(20代男性、器用なタイプ)

ケース2)半年で袋詰めクエスト

こちらは納期をたっぷりもらって、時間をかけて作業できました。本当はもっと早く終わる予定でしたが、作業の仕掛かりで若者と連絡がとれなくなってしまい(笑)、他の子に仕上げてもらいました。
バイトに不安を感じる若者、体調不良に悩む若者がそれぞれ自分の予定に合わせて作業してくれました。時には「手伝うよー」と自発的に周りの子が助けてくれて、チームワークで作業する風景も。

作業内容:
・サンプル品を10個ずつ向きを揃えてチャック付き袋に詰める
・袋数を確認して段ボールに納める
・1箱2000個×6箱分を作業

作業時間:1箱30分~1時間程度
納品期限:半年ほど(進捗報告しながら納品日を決定)
資材:車で受け渡しいただいた
報酬:1箱2千円
参加者:若者3名(10~20代男女)が2箱ずつ、オトナリサン3名も手伝った

ケース3)リユース制服の刺しゅう取りクエスト

以前もイベレポで紹介した、制服やジャージに刺しゅうされた文字を取り除く作業。忍耐力が必要になるので、若者の好みは分かれるけど、慣れれば1文字30分もかからずにできるようになります。

作業時間:1文字30分~1時間程度
納品期限:1人2~3着程度を最短で2週間(進捗報告しながら納品日を決定)
資材:サンカクキチに来て受け渡しいただいた
報酬:1文字100円または150円、ゼッケン150円
参加者:若者11名(女性が多め)、オトナリサン3名

内職クエスト募集の詳細

どんなことでも構いません。上のような事例では、手を動かす軽作業が多いですが、アンケート集計、記帳代行、データ入力作業などパソコンでできる作業でも、サンカクキチでできる内職クエストを募集しています。

そして、若者と一緒にキチで手伝ってくれる方も大歓迎です!
サンカククエストが、人とのつながりを作るきっかけにもなればと思っているので、若者と和気あいあい作業していただけたら嬉しいです。

【募集要項】

納品期限:物量にもよりますが、一般的な納期の1.5倍から2倍ぐらいの余裕をもったスケジュールを想定
資材の受け渡し:ご負担いただけるとありがたいですが、ご相談させてください
品質:スタッフが管理しておりますので、都度確認して中間報告いたします
費用:納品期限に猶予がある分、一般価格と異なることもOKです。またスキルや経験値も若者にとって大きな財産となるため、費用の設定は打ち合わせにてご相談ください
参加者:16~25歳ぐらいの男女。本人からの希望をもとに、スタッフが判断して参加者を決定します
依頼方法:下記フォームにて受付

【注意事項】

若者が参加を希望しない場合、作業できないことがあります。参加にハードルがあるか、日程が合わないか要因を検証し、内容を再検討、あるいは中止などのご相談を差し上げます。

【ご依頼の流れ】

①打ち合わせ
②若者参加
③作業・納品
④お支払い

お申込みいただきましたら、後日スタッフからお打ち合わせの連絡をいたします。

【問い合わせ先】

申込フォーム:https://forms.gle/vMkBbDKFSV6UG9dy9

担当:宮本緑


この活動は公益財団法人パブリックリソース財団様の「東京海上日動キャリアサービス 働く力応援基金」による助成を受けています。助成団体様ならびに寄付者の皆様に厚くお礼申し上げます。


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ライター

宮本 緑

社会サンカク事業担当

特集・企画

2023.05.16