活動報告
2023.11.27
IT企業の社会人と若者の交流 ~コロナ渦のオンライン交流を経て対面へ~
サンカクシャでは、企業のボランティア先として、社員の方が若者と活動を共にしていただく機会があります。
私たちスタッフだけでは、若者との関係性も閉鎖的になってしまいますし、活動範囲も限定されてしまいますので、企業の方にご協力いただけて、とてもありがたく感じています。
OktaJapan株式会社様では「Okta for Good」というCSR活動をされていて、サンカクシャでは2021年から交流の機会をいただいております。https://www.okta.com/jp/okta-for-good/
ボランティア活動の枠におさまらない、あたたかい企画をいつも考えてもらっています。
「Tech Path Week」として、IT分野に興味ある若者へ就職に寄ったサポートのご提案もいただいておりましたが、当時の若者たちは仕事よりも居場所を必要とするメンバーが多かったこともあり、柔軟に内容を変えながら、若者との関係づくりに時間をかけていただきました。
特に最初はコロナ渦ということもあり、オンライン交流を2回実施。『カタカナーシ』というカードゲームや、Okta社員のJob当てクイズを通して、少しずつ若者に馴染んでもらいました。
2022年夏にはオフィスにうかがい、社員のみなさんと若者が対面でお話しできるように。そのときは会議のセッティングを若者が主導して「当たり前ってなんだろう」をテーマにディスカッションするというもの。かっこいいオフィスで社員と対話する時間は、若者にとって貴重な仕事体験にもなりました。周りから求められる社会性や、身近な人に感じる違和感など、参加した若者は正直に話します。Okta社員のみなさんが優しく受け止め、また思考を深堀してくれて、双方に満足度が高い交流となりました。
こうした交流にとどまらず、Okta for Good Fund(Tides財団)を通じて、サンカクシャの社会サンカク事業に助成いただいております。
そして2023年はMacBookProを寄贈いただき、製品が届いたタイミングで、デバイスを使って若者と活動できる企画をつくっていただきました。OktaJapan様とのミーティングを経て、居場所であるサンカクキチで、2回に分けて若者がパソコン体験の機会を得ました。
第1回パソコン体験
8月はデバイスのセットアップに、6名のOkta社員のみなさんと4名の若者が参加。若者がOktaメンバーとバディを組みながら、ひとり1台ずつ初期設定をしてもらい、GoogleChromeインストールやZoomのテスト接続などにチャレンジしました。マンツーマンで教えてもらえたおかげで、とてもスムーズに作業完了できたようです。
Oktaメンバーの1名はオンライン参加でしたが、雑談を交えながら素晴らしいチームワークで若者の体験を見守ってくれていました。メンバー同士で「ありがとう」の言葉が飛び交う様子は、若者にもあたたかい職場のイメージを与えたと思います。
「このパソコンを使って何をする?」とディスカッションしながら、次のお題を決めます。
私たち大人の間ではGoogleDriveのスプレッドシートを活用して、どんな表をつくるかアイデア出しを期待していましたが、若者からは「そもそもスプレッドシートって何ができるの?」という質問が。Oktaのみなさんから丁寧な説明をもらって、真剣に内容を考える時間となりました。
第2回パソコン体験
9月は前回決めた通り、スプレッドシートを使って、サンカクキチごはんの献立と食材費を表にまとめました。この日はOkta社員のみなさんが5名、若者4名がバディを組んで実施。
5日間のレシートをもとに食材費を打ち込み、なんの料理にいくらかかっているか、また誰が作って何人食べたのか、打ち込んでいきます。キチ担当のなみちゃんがレシートから献立メニューを思い出しつつ、はまー(居場所事業マネージャー早川)の「白いミートソースがけナスのトマト煮」という複雑な献立名に盛り上がるなど、いたって楽しく進行していきます。
慣れないスプレッドシートに最初は苦戦していた子も、マンツーマンで教えていただいたおかげで、後半は入力もすっかりスムーズにできるようになっていきました。
パソコンを触ったことがある子も、セルの選択の仕方や、効率的な操作方法を学んで「へー」と声があがることも。
時間がある子は表を棒グラフや円グラフに編集してみます。色分けすると、一気に内容が見やすくなって、普段の献立にも気付きが出てくるのも面白い体験でした。
作って終わり、ではなく、最後はみんなでそれぞれの画面を見せ合いっこします。自分の画面を見せながら、ほかの人との違いや工夫したところをシェアします。
食材ごとにセルを分ける人、見やすさ重視した人、色にこだわった人、みんなの画面に個性が出ていて、どれも素晴らしい出来栄え。「教え方が上手」と若者がOktaメンバーへ感謝の気持ちを伝えるシーンも微笑ましいものでした。
2回とも2~3時間ほどの活動で、若者たちの真剣に取り組む姿を見て、私も新鮮な気持ちになりました。就職活動に優位かと言われれば、決してそうではないかもしれませんが、「やったことがある」「やり遂げた」ということは自信になります。何より、OktaJapanの社員のみなさんの気持ちいいサポートの中で、若者たちがあたたかい人とのつながりを感じ、協働する喜びや楽しさを感じてくれたらいいなと思います。
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ライター
宮本 緑
社会サンカク事業担当
活動報告
2023.11.27