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荒井の若者支援日記

2024.02.03

住まいを失う若者への「住宅補助」はじめます

荒井の若者支援日記 Vol. 3

これから若者の住まいの支援に関して新しい取り組みを始めます。

若者に「住宅補助」を支給します。

今回、ありがたいことにご寄付をいただき、この取り組みを実施することにしました。(詳細は追ってサンカクシャとして正式にお知らせします。)

虐待などの影響で、家を追い出されてしまった、家にいたくない、家を出て仕事をしたけど、うまくいかなかったなどなど、親を頼れない若者が住まいを確保することの大変さを現場で痛感しています。

住まいがないと仕事も始まらないので、まずは住まいの支援から。
サンカクシャではこれまで、シェアハウスやシェルター(賃貸アパートの個室)など住まいの提供をしていましたが、今回新しく「住宅補助」の支給にもチャレンジしてみます。

月3万円をまずは6ヶ月支給します。
本当は2年近く支給したいのですが、現状では財源的に厳しく…

家賃を補助するだけではどうにもならないケースも多いので、自立できるまでの伴走支援も提供します。

サンカクシャにつながる若者だけを対象すると偏りそうなので、日頃から連携している団体につながる若者などにも対象を広げ、実験をしてみようと思っています。

まずは、民間からこうした取り組みをはじめ、その実験の結果が何か次に、政策だとか違う支援につながったらいいなと思っています。

このプロジェクトを始めた背景は3つあります。

①大学生の困窮どうしようもない問題

まず、大学生は生活保護が受けられません。(病気で休学した場合などは別ですが)

ここ最近、大学生の相談も増えてきていて、親と折り合いが悪くなり、住まいも、学費も、生活費のサポートも無くなったというようなケースに多く遭遇します。
この場合、本当にどうにもならず、大学を辞めるか、全部自分で稼ぐかとなってしまいます。

このような大学生に対しての奨学金などは少し広がってはきていますが、それでも住まいを確保して生活費を稼ぐのが本当に大変。

生活保護が受けられたらいいのですが…
こうした若者たちの生活が少しでも楽になればいいなというのが1つ。

②民間の若者居住支援団体の負担が大きすぎる問題

もう1つは、支援団体側の話です。

今まで、住まいを失った若者にシェアハウスや個室のシェルターを提供し、自立できるまで住まいの提供や仕事のサポートなどを行ってきました。

もちろん、この活動はこれからも広げていきますが、活動をする中で限界も見えてきました。

こうした住まいの支援は、今、公的支援もほとんどない中で、民間の団体がかなり持ち出しで行っています。サンカクシャはありがたいことにいくつか助成金をいただき、なんとか運営をしています。とはいえ財源が不安定な中、絶対に無くしてはいけない、住まいや伴走する人を抱えて事業を広げています。

一応、シェアハウスなども家賃を若者から回収します。かなり安く抑えているので、満室でもトントン。所持金0というような若者が多いので、最初の数ヶ月は免除しています。これまで家賃回収率は30%とか50%とかで、ここ最近は70%くらいまで安定するようになってきましたが、それでも赤字続きです。

専門的な話となりますが、生活保護を受けたとしても、代理納付の手続きができるまでの1ヶ月間の家賃を回収する前に使い込まれてしまうなどと言ったこともよくあります。(これを書いている今日もありました…)

などなど、家賃の回収がとても大変。

であれば、若者に住宅補助を提供し、それを家賃に充ててもらう。そうすると住まいを提供する団体の負担も減るのかなと。

③支援に抵抗がある若者をどう支えるか問題

最後に、支援に抵抗がある若者の存在。

私たちは支援を受けることに抵抗がある若者に対して、あの手この手で抵抗感を減らす取り組みをしています。
それでも、”誰かに支援をされている”という状況に耐えられない若者も多い。

こうした若者たちに、住宅補助のような手当を渡すことができると、例えば、格安の民間シェアハウスに低負担で入居する、普通の一人暮らしの部屋の家賃負担を減らす、などといった、支援を受ける以外の選択肢もできるかなと思います。

この対象を少し拾うために公募してみることも考えています。

このようなことを考えて、このプロジェクトを始めてみます。

とりあえず、自分たちのできることからということで、支給できる金額や対象人数は少ないのですが、この取り組みをきっかけに、若者の住まいの支援の必要性や、この住宅補助が広がっていくといいなという思いを込めてできることから始めてみようと思います。

もっと寄付を集めて、支給額や人数を増やしていきたいと思いますし、一緒に連携する団体も増やしていきたいです。

みんなで若者の住まいを支えられる仕組みをこれからも地道に作っていこうと思います!


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ライター

荒井 佑介

代表理事

荒井の若者支援日記

2024.02.03