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活動報告

2024.03.19

クエストフェス開催レポート② 若者が地元のお店の仕事体験 〜若者を見守るローカルなつながり〜

クエストフェスとは、働く自信がない若者のための仕事体験プログラム「サンカククエスト」を、街のみんなで応援するフェスティバル。

サンカクシャでは、働く自信がない15〜25歳ぐらいの若者が、周りと協力しながら仕事を体験して自信につなげるプログラム「サンカククエスト」を実施しています。企業や個人から依頼された仕事をクエストと呼び、クリアすることで、若者は誰かの役に立つ喜びを感じながら、少しずつ成功体験を積んでいくことができます。
そのサンカククエストが豊島区のまちに集結したフェスティバルとして「クエストフェス」を2/10〜3/9の約1ヶ月間開催しました。
いつもはクエスト依頼者と若者の関係づくりだけにとどめていますが、せっかくなら若者が頑張っている姿をまちなかで見ていただこうとフェスを企画したら、いたるところで若者と大人が協力してクエストに取り組む風景が見られました。

https://drive.google.com/file/d/1ALAll5ca6NgJJkv5E7SsZD_es9HV1wDP/view

2月中旬は「サワーとコロカツ」というイベントにて、若者がクエストとしてお店の手伝いをしました。
椎名町にある「シーナと一平」は外国人観光客が訪れる宿だけでなく、1階がシェアキッチンになっており、日によって出店者が変わるスペースです。
そのキッチンで定期的に開催されているイベントが「サワーとコロカツ」。美味しいサワーとコロカツを食べるというゆるい企画ですが、常連さんも、初めての人も楽しめる時間になっています。

この不思議な場所に若者を連れていくことになった経緯は、2023年の夏にさかのぼります。
偶然にも宮本が「サワーとコロカツ」の来店スタンプカード構想に居合わせたご縁で、若者に消しゴムはんこ制作を依頼するクエストが生まれました!
その子はもともと消しゴムはんこを得意としており、あっという間に主催の田中さんを模したイラストから、はんこを作ってくれました。そのクオリティの高さに一同びっくり。

そんなつながりもあったので、クエストフェスの期間中に「サワーとコロカツ」主催の田中さんと引き合わせたかったし、若者自身も地元ということもあり、困ったときに頼れる先になったらいいなと期待して、クエストをコーディネートしました。

飲食店でバイトをしたことがある子なので、接客などはスムーズで見ていても安心。メニューはサワーとコロカツとマカロニサラダだけで、全品500円とシンプル。慣れないサワー作りも、周りに教えてもらい難なく身に着けることができました。

お酒の席なので、お客さんのペースもゆっくりですし、忙しすぎることもなかったので、極度に頑張って疲れてしまうという場面もありませんでした。

何より常連の方が心優しい上に、クエストフェスの呼びかけで駆けつけてくれた大人も若者に寄り添ってくれるので、室内はあたたかい雰囲気。

注文がないタイミングでは、シーナと一平を運営する日神山さんにつなげてもらい、若者が席でお客さんと話している姿もあり、好きなことを中心に互いに見せあいっこしていました。

普段からこの場所に縁ある方の中でも、この日は個性あふれるプロフェッショナルな大人が飲みに来ていたようで、それこそ「好きを仕事に」することの葛藤や苦悩を乗り越えてきた方ばかり。若者は好きや得意を、たくさん褒めてもらうことで、将来の不安も少しずつお話しできるようになったようです。「今度はお菓子をつくってみる?」とパティシエの方と計画する声も。

地元トークにも花が咲き、意外なつながりが発覚したり、気になっていたお店のことを教えてもらったり。よく知るお店のお孫さんが、同年代でありながら「好き」を貫いて世界で頑張っている姿を見るのも刺激になったようです。

接客クエストをやりながら、一度にたくさんの人と喋って疲れたかと思いきや、「楽しかった~」とニコニコした表情の若者。閉店時間まで常連さんが声をかけてくださり、かわいがってくれていました。
やっぱり地元の子だから、応援したくなっちゃうんですね。

とはいえ、今度は地元だからこそやりにくいこともあるでしょうから、程よい距離感で、また遊びに行ってくれたらいいなと願っています。

いつもサンカククエストをコーディネートするときは、安全性を基本として、若者の成長イメージを持ったうえで、それ以外は出たとこ勝負で化学反応を観察することにしています(無責任に聞こえるかもしれませんが、若者には予測できないことがたくさんあります)。

しかし今回はこちらが想像できないような素敵なサプライズがたくさん生まれました。それは若者だけではなく、協力してくださったオトナリサンや、遊びに来てくれた方にとっても、何かおみやげがあったように(手前味噌ですが)感じています。

その場にいるみんなで若者を応援するとは、こういうことなのかと、教えていただいた1日になりました。


この活動は、公益財団法人パブリックリソース財団様の東京海上日動キャリアサービス働く力応援基金、ならびに、Tides財団様のOkta for Good Fundによる助成を受けています。助成団体様ならびに寄付者の皆様に厚くお礼申し上げます。


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ライター

宮本 緑

社会サンカク事業担当

活動報告

2024.03.19