いつか大人になる日

5月5日、今日はこどもの日。
ゴールデンウィークも明日で終わる。
個人的には明日はクリニックの仕事が入っているのでボクのゴールデンウィークは今日までだ。
今年のゴールデンウィークは画期的だった。
それについて書こうと思うが…かなりアングラな内容なのでもしかしたら検閲で待ったがかかるかもしれない、うまく掲載されることを祈りながらボクは今キーボードを叩いている。

大きな声では言えないが、ボクはドラッグが好きだ。
市販薬だとか処方薬だとかではなく、イリーガルなアッパー系のけっこうヤバいやつを好んで嗜好している。
長期間使わない時期もあったが、きっちりやめたと言い切れる瞬間はこれまで一度もない。年末年始とゴールデンウィークの連休は、矯正収容施設にいた時期を除けば、確実に使っていた。大型連休中は国家権力による取り締まりも手薄になるし、使用後の十分なデトックスタイムを確保することが可能になるからだ。比較的安心安全に陶酔できる絶好の機会なのである。

正直な話、ボクはこの色々と厄介の種となる薬をこれまでにやめようと本気で思ったことがない。色々理由はあるが（それについては別の場所でじっくりと時間かけた議論が必要であろう）、煎じて詰めれば「言われるほど悪いものではないから」という言葉に行き着く。
ダメ絶対！という貧困な言葉で迫害されるほどの存在ではないという確信をボクは持っている。今もやめるつもりはない。（あっ！言っちったw）

それなのにどうしてだろう、今年のゴールデンウィークは薬を使わなかった。
特段、価値破壊的な頑張りがあったわけではない。意志もなく計画もなく過ぎて気がつけば使っていなかったという事実だけがここにある現実。依存になるのは意志の弱さだというアホな奴らがこの状況をどう判じるかは知らないが、ボクはあっけに取られるように感動している。嬉しいとは違うんだが、限りなく嬉しいに似た驚きをボクは今感じている。

価値転換の瞬間。
瞬間ってほどの判りやすいインパクトのあるエピソードなんてものはなくて、薬をヘビーユーズしてた頃も楽しかったし、使わなかった今回の連休も楽しかったし、楽しさの種類が違って来ただけ。
「周りにいる人たちが幸せだと思っている世界観に自分の幸せを合わせたい」
そう思えたから使わなかったんだと思う。

ボクはドラッグをしなかったことが嬉しかったんじゃなく、ドラッグ以外での連休の充実を体験できたことが嬉しかったんだろう。
人生の豊かさは、その行為自体の充実なんかじゃなく、選択肢の多さなんだ。

5月5日、今日はこどもの日。
こどもの日は、こどもたちへの祝福のためだけにあるのではなく、大人が自分の大人性を意識するべき日でもあるのかもしれない。少なくともボクは去年よりは大人になった。

ありがとう。

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