サンカクシャ

スタッフダイアリー

2024.09.02

考えるな、感じろ。

先日、若者たちとシアターゲームをして、すごく楽しかった。

シアターゲームとは、舞台演劇などの劇団が、稽古やワークショップなどで、ウォーミングアップに実施するものだ。演技をするときに必要な力や、チームワークを向上する効果がある。

私が紹介したのは「007」で、頭と体を連動させる、ちょっと反射神経が必要なゲームだ。内容については、テキストで書くと全く面白くないし、何のことだか分からないと思うので割愛する。とにかく、すごく楽しかった。

やってみて分かったことは、すぐにルールが飲み込める子と、時間がかかる子がいるということだ。

ひとつの例としては、失敗に対して不安がありそうな子。

ゲームだから勝ち負けはあるけど、輪になって遊ぶフルーツバスケットに近いので、そんなに執着するほどではない。本来は失敗すると輪から抜ける(退場する)ルールだけど、最初は何度失敗してもOKとして、体に馴染むまで遊んでもらった。

だけどやっぱり、自分の順番がきて、失敗しないようにと思えば思うほど固くなってしまう。自信がないから本当に大切なアクション(相手を指名する)が上手くいかない。この指名が曖昧だと、指名された側も失敗してしまい、チームワークが乱れてしまう。失敗してもいいから思いっきりやってみて!と声をかけてみるも、ちょっと時間がかかりそう。

もうひとつは、考えてから動こうとする子。

目で見て、耳で聞いて、自分でアクションするゲームだから、受診と送信をほとんど同時にするのだけど、もしかしたらサンカクシャにつながる子は苦手なのかもしれない・・・

この日は、豊島区で知り合ったオトナリサンの中で、演劇経験者の大人にも数名参加してもらっていて、年長者組も初めてのゲームだったにも関わらず、若者のほうがついていけなかった。頭の柔らかさは年齢とは無関係みたい。

体で覚えてもらうこのゲームは、もちろん慣れも必要だけど、思考・判断よりも直感を求めるものらしい。

たしかに不安に駆られて動けなかったり、次に一歩踏み出せなかったりするときは、必要以上に考えてしまっていることが多い。若者たちと話していても、「あとはやるだけじゃん」って思う瞬間はたくさんあって、チャンスも時間も目の前に転がっているのに、何が足りないんだろうと見ているこっちはヤキモキしてしまう。

そこには成功に裏打ちされた自信や確信が必要なのだろうけど、未知なるものに、そんなお守りは存在しない。

「いけるいける!」と周りからエールを送られていても、自分の腹が決まらないと途中で折れてしまう。

だからどこかで飛び石を飛ぶみたいな「エイヤッ」とした勢いが必要なのかもなあと思う。

幸いにもサンカクシャにつながってくれたんだから、失敗しても大丈夫、そういう実感が背中を押してくれるはずだ。


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ライター

宮本 緑

社会サンカク事業担当

スタッフダイアリー

2024.09.02