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活動報告

2024.09.26

【視察報告】関西で居住支援を行う団体を視察しました

視察の背景

サンカクシャは現在、居住支援施設としてシェアハウス3軒(13部屋)、シェルター7部屋を擁しています。

この度、運営方法やノウハウを共有し、サンカクシャの居住支援の現状・課題の把握と継続していく方法を探るため、8月27日から28日にかけて公益財団法人京都市ユースサービス協会、シェアリンク茨木、NPO法人釜ヶ崎支援機構、認定NPO法人Homedoorを視察しました。
昨年度は北九州市の認定NPO法人抱樸に視察に行き、居住支援の運営方法の違いや共通点を探りながら事業体制における課題整理をするきっかけとなりました。
今回は、若者の包括的な生活・相談支援を行うチーム作りと利用者の出口作りを中心に他団体のみなさまの活動を拝見させていただきました。地方と比べて首都圏で行う居住支援は、相談の母数も、法人所在の自治体に居住している方からの相談も多いです。首都圏ならではの課題も共有させていただきました。

京都市ユースサービス協会

こちらでは、京都市伏見青少年活動センターとユースショートステイ事業の拠点を視察しました。地域ごとに特徴を変えて運営されていて、子どもに限らず30歳までの若者を対象に、居場所利用やプログラム参加をきっかけに相談まで包括的に対応することができる場所が区役所内にあります。
相談過程でヤングケアラーの短期宿泊等のニーズがあった場合にショートステイできる拠点も拝見しました。お家にいられない若者が安心して休める場所をどのように運営していくか、意見交換をさせていただきました。

シェアリンク茨木

茨木市内にある大阪府営住宅の空き室を活用したシェアハウス拠点を視察しました。緊急での受け入れにも対応されており、生活支援や役所手続き同行など一人ひとりの困りごとに合わせた伴走が住まいの支援を行う際には必要になることを再確認しました。
居住支援を行う際の最大の課題は、物件および継続的にかかる賃借料や人件費の確保です。府営住宅を使うことで、持続可能かつ空き室の有効活用ができる点で官民ともにメリットのある運用が可能になっている点も学びになりました。若者が使える制度が抜け落ちている課題も共有し、政策提言につなげていくための視点についてもお話いただきました。

釜ヶ崎支援機構

釜ヶ崎で長年労働問題やホームレス支援に取り組んでいる団体ですが、若者からの相談も増えて、2020年より若者年代用のシェアハウスを開始。釜ヶ崎特有の労働問題の歴史や取り組みを踏まえた上で、プライバシーへのニーズが高い若者に、就労を目指して総合的な支援を実施しています。
居場所やプログラムを作る背景に、役割をそれぞれに持ってもらえることを大切にされているというお話が印象的でした。仕事をすることは、生活リズムを整えるだけでなく、人と話す時間にもなり、心身の安定につながる――役割から仕事につないでいくまでの場づくりは参考にしていきたいです。

認定NPO法人Homedoor

Homedoorはホームレス・困窮問題を中心に総合的な支援を行われている関西エリアの団体です。
こちらでは、2023年に新設された「アンドベース」(貧困と孤立状態にある方への住まい)を見学しました。
元々ホテルだった建物を使っていて、清潔感があり、プライベート空間もきちんと確保された上で、住人が集える場所も用意されていました。
退去後の一人暮らしでヒントになるような掲示物や、退去時の掃除を有償で住人に依頼する仕事作りを拝見しながら、1人ひとりの状況に合わせた柔軟な受け入れをなさっている日々の運営についてお話を伺いました。

視察を振り返って

居住支援を支える基盤は、賃借料や人件費等のハード面と、若者の生活サポートや相談支援を行うソフト面の2つがあります。
前者のハード面についてはどの団体も課題としていることですが、助成金獲得、物件を安価に貸してくださる方・組織との関係作りが中心になっていました。持続的に運営していくためには、官民連携しながら制度化していくための働きかけを続け、住まいを必要としている若者たちの声を届けていく政策提言にも力を入れてまいります。
また、ソフト面では、
・若者一人ひとりに役割を持ってもらえるような場作り
・少額であっても賃金が発生するような仕事作り
・仕事を続けられるようサポートする
これらを充実させていくことがサンカクシャの今後の課題と感じています。
若者からくる相談の中でも住まいのニーズは高く、新規相談の50%ほどを占めています。入り口としての安心安全な場所から、次のステップへ進んでいくまでのプロセスに関わるスタッフの学びの場をいただくことができました。


休眠預金事業ロゴ

この活動は、公益社団法人ユニバーサル志縁センター様の休眠預金活用助成「親に頼れない若者の独り立ちサポート事業助成」(2023年度緊急枠採択事業)により実施いたしました。助成団体様ならびに寄付者の皆様に厚くお礼申し上げます。


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ライター

久保

活動報告

2024.09.26