活動報告
2024.10.21
「信じて待つ」ことからつながる支援
携帯電話が普及する前、私たちはどうやって待ち合わせをしていたんだろうか。
ふと思い返すときがあります。
いつでも連絡が取れる便利な世の中になったからこそ、細かい場所の指定や、ちょっとした遅れなどは直前のやり取りで何とかすることが多いけれど、そうもいかないこともある。
ある日、シェアハウスに入る約束をしていた彼。
寮付きの肉体労働系の仕事をしていたけれど、労働環境も、条件も、また職場の人間関係も過酷すぎてしんどい。でも、辞めると収入も、住むところもなくなってしまうー
そんな時にネットでサンカクシャを見つけて相談につながりました。
が、約束の時間を15分過ぎても、30分過ぎても、1時間過ぎても来ない。
「うーん、他にあてが見つかって、よくある無断キャンセルだろうか?」
「いやいや、道に迷っているんではなかろうか?」
「こんなに待ったんだから、もう今日は帰ろうか。」(その日は休日の特別対応)
「いやいや、ここで帰ってしまって出会えなかったら、彼は途方に暮れてしまうかもしれない」
自分の中の2つの自分が、もう帰ろうか、それとももうしばし待とうかとせめぎ合い。
せめぎ合っているうちに、さらに時は過ぎ、2時間ほど経ったところで、たくさんの荷物を抱えて現れた彼。
悪びれた様子がなかったのは、「13時」と「3時」を勘違いしていた様子。
あー、自分もその間違いやることある!と自分に言い聞かせて、ひとまず「待ってたよ!よくぞたどり着いた!」の一言から。
(と同時に、「よく待ったぞ自分!」と自分を褒めながら)
ん? スマホあれば連絡取れるんじゃないの?
と思われる方も多いかもしれません。
つながってくる若者は、その時点で料金の滞納等でスマホの本体は持っていても通信はできず、フリーWi-fiのある所でかろうじて連絡をとっているというケースが多いのが現実です。
サンカクシャへの相談は公式LINEへのアクセスが割合としては一番多いけれど、こういう状況の若者はLINEも使えなくなっていることもあったりして、実は、メールでの問い合わせこそ緊急度が高かったりもします。
衣食住の最低限は基本的人権というけれど、今のご時世「通信」もインフラ。
これがないと、住まい探しも、仕事探しも、そもそも社会にサンカクするきっかけすらつかみにくくなってしまうなと、私たちも痛感しています。
一方で、便利になった世の中だからこそ、アナログな出会い直しはエモかったりもする。
待ち合わせで空振りに終わることも少なくないけど、助けてと来たその声を信じて待つ、それが私たちの真髄の一つなのかもしれません。
この彼のシェアハウスでの暮らしぶりはまたどこかで。
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この活動は、公益社団法人ユニバーサル志縁センター様の休眠預金活用助成「親に頼れない若者の独り立ちサポート事業助成」(2023年度緊急枠採択事業)により実施いたしました。助成団体様ならびに寄付者の皆様に厚くお礼申し上げます。
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ライター
どんぶりめし
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