活動報告
2024.12.16
信頼される経験が人を育てる。若者たちの「はじまり」の契機になることを願って【解体祭参加レポート】
サンカクシャでは、働きたいけれど働くことが難しい状況にある若者たちに仕事体験の機会を提供し、信頼できる大人との出会いや人の役に立つ経験を通して、自信を取り戻すサポートをしています。
10月26日・27日に、株式会社都市テクノさん(以下:都市テクノさん)が開催する「解体祭」のお手伝いのため、千葉県船橋市にある介護老人保健施設ロータスケアセンターに伺いました。
サンカクシャが新たに立ち上げる「しごと」に特化した拠点「サンカクオフィス」構想に共感いただき、クラウドファンディングでご支援をいただいたことをきっかけに今回の取り組みが実現しました。
都市テクノさんは、解体業を軸とした都市の「再生」に関わる事業に包括的に取り組まれています。
「解体祭」は、解体予定の建物で子どもから大人まで楽しめる企画を実施し、“これまで”まちを見守ってきた建物に最後の感謝を伝えることや、まちの“これから”の未来を地域の方にイメージしてもらうことを目的としたイベントです。
サンカクシャの若者たちは、2日間で合計6人が参加。総合受付や、参加者のみなさんが壁や床などにお絵描きできる「落書きコーナー」の受付、絵の具の受け渡しなどを担当しました。
都市テクノさんにはかねてよりお世話になっていること、まちの象徴に別れを告げる大切なイベントであることから、若者たちを誘う時には、「サンカクシャの“若者代表”として来て!」とお願いしました。
「しゃあないなあ」と言いながら、まんざらでもない表情を浮かべる若者、緊張した面持ちの若者・・・リアクションは様々でしたが、みんな即答で「参加する!」と答えてくれました。心なしか、すっと背筋が伸びているようにも見えました。若者たちの反応を通して、人から頼られることの喜びが垣間見えたようにも思います。
今回参加してくれた若者のほぼ全員に、被虐待経験や経済的に厳しい環境など、様々な子ども時代の逆境体験があります。
保護者の余裕のなさや家族を取り巻くサポートの少なさにより、子ども時代にじっくりと目をかけてもらえなかった若者も多いです。人から期待された経験や、信じてもらった経験すらない若者もいます。
若者たちが抱える痛みの全てを吹き飛ばすことはできないけれど、人から信じてもらった経験の一つにはなれる。そう信じて「若者代表」と声をかけました。
実際に蓋をあけてみると、誰よりも声を張って子どもたちに声をかけたり、参加者と一緒に絵を描いたりなど、それぞれの持ち場で奮闘する様子がみられました。
ある若者は、絵の具まみれになりながら、子どもたちのお世話をしてくれました。子どもの目線の高さでお話ししたり、子どもたちのニーズに合わせて絵の具で色を作ったりしてくれていて、保護者の方からも好印象。子どもからも大人からも「ありがとう」と言われていました。
たくさんの子どもたちに囲まれ、「いいお兄ちゃん」となった若者を見て、なんだかあたたかい気持ちになりました。また、解体祭への参加を通じて、この若者に限らず、若者たちが持つ力を再発見する時間にもなったように感じています。
同時に「今までどこか若者をお客さん扱いしていたのではないか。若者たちには力があるからこそ、もっと若者に頼ろう!」と思うようになりました。
これまでは、今回のような企業さんとのコラボレーション企画についても、事前にスタッフが打ち合わせを行い、当日若者が参加する形をとっていましたが、解体祭を機に、打ち合わせから若者たちも参加できるように調整しています。
若者が参加するからこそ生まれる気づきもあり、今後はスタッフと若者の垣根なく、「ともに働くこと」を体現していけたらと思っています。
今回ご一緒した都市テクノさんは「解体は、終わりではなくはじまり」というスローガンを大切にされています。
解体祭での経験が、若者たちにとっても「何かのはじまり」となるように、今後も関わりを続けていけたらと思います。
現在、サンカクシャでは、「特定の場所に通って働くことが今この瞬間には難しいけれど、サンカクシャのスタッフとであれば一緒に働ける」という若者に対して、サンカクシャで仕事を受注し、スタッフと一緒に働ける機会を提供したいと考えています。そこで、サンカクシャに仕事を発注いただける企業・個人の方を募集しています。ご協力いただける方はぜひ下記からご連絡ください。
【問い合わせ先】
メールアドレス:staff[at]sankakusha.or.jp
※[at]を@に置き換えて送信してください。
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ライター
菊川恵
活動報告
2024.12.16