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イベント活動報告

2021.07.28

働く一歩目を踏み出す若者を社会人ボランティアが支える仕組み【サポーター限定配信レポ】vol.2

「若者と社会人の交流」をテーマに、「タマリバ」「社会サンカク」「個別支援」それぞれを担当するスタッフと、最近の現場ではどんなことが起こっているのかについてトークした、サポーター限定配信の内容をお届けする今回の企画。

サンカクシャでは、若者が「どんな道に進んでも生き抜いていけるように」という思いのもと、活動全体を通じて若者が社会で生きていく上で糧となる様々な「経験」を自然と積んでいけるよう、関わる若者一人ひとりのタイミングに合わせて、家庭訪問をしたり、居場所を開けたり、社会サンカクのためのプログラムを作ったり、それぞれのステップで複数のスタッフが若者をサポートしています。

そんなそれぞれの活動の中でも、大事にしているのが「社会人と関わる機会」があること。

スタッフだけではなく、タマリバにいるボランティアの皆さんや社会サンカクのプログラムに参加してくださる社会人の方など、様々な方と活動を作っていくことで、若者が社会人を身近に感じたり、信頼できる大人と出会ったり、自分の選択を応援してもらう経験をしたり、「人」を通じて若者が自分の進路について考えるきっかけを作ろうとしています。

vol.1では、「タマリバ」で段々と人とのつながりを受け入れられるようになっていく若者たちについてお届けしましたが、vol.2の今回は「社会サンカク」の活動の中での若者たちについて。

働く一歩目を踏み出す若者に社会人が伴走する新たな取り組みでの、「関係づくり」の難しさについてお届けします!


社会サンカクプログラムのお話(担当:石塚)

今日話題にしたいのは、ちょうどトライアルで実施している「イッショニバイト」という社会サンカクプログラムのことです。「働く」という目標を掲げるタイミングの若者に対して、プログラムを通して関わっています。

イッショニバイト」とは、働く一歩目を踏み出す若者に社会人が伴走してサポートするプログラムで、オトナリサン(サンカクシャのサポーター)からも数名お手伝いいただいています。アルバイトを探す段階の若者に寄り添って、アルバイト探しをサポートしたり、継続をサポートしたり、職場での人間関係作りのサポート等々、4か月間のプログラムとして実施しています。

「イッショニバイト」は、タマリバでの関わりとは違い、1対1で若者と大人が関わります。交流というよりは相談というニュアンスが近く、ステップが1つ上がったようなイメージです。

このプログラムを実行するにあたって何が難しいかと言うと、まずは仲良くならないと、若者が何も話してくれない。これが一番難しい!

大人だって、全然知らない人に本音を言ったり相談するのって抵抗がありますよね。それと同じで、まずは信頼関係を作らないといけない。そのために、まずはとりあえず雑談をたくさんする。人となりをお互いに知り合う。ちゃんと話を聞ける状況を作って、若者が「話したい」と思えるような関係を作る。これが本当に難しいんです。

「イッショニバイト」トライアルは5月の中頃から始めて、今でちょうど1ヵ月くらいが経ちました。毎週1回オンラインでやっていて、若者が5人、オトナリサンが5人くらいの規模感です。

若者との関係を作るために、最初は「どうやったら仲良くなれるか」を若者に直接聞いたりもしたんだけど(笑)若者から言われてはっとしたのは、1回に関わる時間の長さよりも、関わる回数の方が大事だということ。時間は短くてもいいから、何回も接している相手の方が安心感につながる、と言うんです。なるほどな、と思いました。

実際に、関わる回数が増えてきたら、「自分のことはしゃべりたくない」と言っていた若者が、最近しゃべってくれるようになったんです。知らない人に自分のことを話すのは嫌だ、というところから、話すことに前向きになってくれている感じがあって、良い変化を感じています。

あとは、やっぱり人間同士だから、相性とかもありますね。関係作りにおいて第一印象って大事なので、最初のとっかかりとして、若者の共通言語に歩み寄ると距離が近づきやすくなる、というのはあります。趣味の話しから入っていって、どんなキーワードが出てくるか見てみたり、こっちからもいくつかキーワードを出したりする中で、思わぬところで盛り上がったり。

ただ、関わる回数や濃さという話しでいくと、今回、トライアルで参加してくれている若者には、サンカクシャのスタッフが昔から関わっていた関係が長い若者もいるんです。
自分としては、オトナリサンと若者がより近くなってほしいと思うけど、やっぱり、僕たちスタッフの方が過ごしている時間が長い分、濃い関係性ができている。
そうすると、誰かに相談しよう、と若者が思った時に、必然的に僕たちの方に相談がくるわけで、なかなか新しく出会った大人には相談ができない、といった状況が出てきています。今後は関係者を増やして、もっといろんなつながりを作っていきたいなと思っているので、ここは課題になってきそうです。

身近に思える〇〇さんから聞くから「こんな暮らしもありなんだ」と気が付く

逆に良かったことしては、「プログラム」という体裁にしたことで、若者がしゃべるきっかけが増えたことです。今までは聞けていなかったキーワードが出てきたりもしています。例えば、「あんまり仕事したくない、都会疲れた」みたいなことを言っていた若者が、ワーケーションをしている大人から「大自然の中で働いてるよ」という話しをリアルな実体験として聞くことで、「自分もそういうことしてみたい」という言葉がポロっと出てくる。プログラムを通した出会いによって生まれたものがありました。

大人だって同じだと思うんですけど、普通に生活していると、暮らしぶり、働きぶりって、知れる数がどうしても限定的になりますよね。こんなやり方もありなんだ、というような気付きが、なんとなく知っている人の実際の暮らし方として、どことなく身近に感じられるような状態で人の手によって伝わる、そんな機会を作れるかどうかが肝かもしれません。

まだトライアルの段階ですが、やってみて良かったこと、また、難しさや課題も見えてきました。思い通りにはいかないという現実もあって、若者が今どういうタイミングなのかを見極めることも難しく、どのように次のステップに接続するか、スタッフの能力も必要です。プログラムにすることの良い面と難しい面があって、プログラムの限界、という可能性を感じたりもしています。

なかなか一足飛びにはいきませんが、やって良かった点があったことも事実。伴走プログラムを通して、若者が社会人と交流していけるきっかけを作っていきたいと思います。

vol.2はここまで。

次回は、ラスト「個別支援」について。一斉によーいスタートではペースが合わない若者たちとの関わりについてお届けします!


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