特集・企画
2021.10.15
代表・荒井が「これからのサンカクシャ」を語る。2020年度アニュアルレポートのご紹介とともにお届けします!
こんにちは。
NPO法人サンカクシャの代表理事の荒井です。
今年も、サンカクシャの2020年度アニュアルレポートが完成いたしました!
2020年4月から2021年3月までのサンカクシャの活動を1冊にまとめています。
※アニュアルレポートはデザイナーの竹田直樹さんにデザインいただきました。今年もありがとうございました。
サンカクシャを立ち上げて早2年。
目の前の若者1人1人のために、居場所を作り、進路就職のサポートをはじめ、住まいのサポートを立ち上げ、この2年でコロナの影響も受けながら走り回ってきました。
昨年度は、特に1年に渡ってコロナの影響を受けましたが、活動のオンライン化は4月からすぐ取り掛かることができ、若者の抱える困難に合わせた支援も試行錯誤実施することができました。これも昨年度ご寄付や様々な形でお力を貸してくださった皆さまのおかげです。
そんな活動や若者たちの様子をまとめたこちらの1冊。
サンカクシャってあれこれ活動しているけれども、どんな団体なんだろう、何を目指しているんだろう、そんな疑問を持つ方も多いかもしれません。
2020年度の活動を振り返りながら、改めてサンカクシャが何をしているのか、どこを目指しているのかを皆さんに共有できればと思っています。
まずは、今回紙面の内容を一部をピックアップし、記事でご紹介させていただきます。
ツナグ+タマリバ+サンカク=LEVEL UP!
サンカクシャの活動の3本の軸、「ツナグ」「タマリバ」「サンカク」。
このページでは、どのような活動で、これまでの経験から自分の将来に意欲を持てない若者たちに、支援の手を差し伸べているのかをご紹介しています。
STEP1.「ツナグ」家庭訪問やオンラインなどで個別支援の実施
「知らない人と会うのが怖い」「活動に参加するのが不安」など最初の一歩がなかなか踏み出せない若者には、一人ひとりのペースに合わせた個別支援で寄り添います。
若者に「届く支援」であることを大切にしています。
STEP2.「タマリバ」要町、本郷、駒込の都内3拠点で居場所運営
「ツナグ」活動などで出会った若者が、素の自分でいられて自由に過ごせる居場所を都内3 拠点で運営。
社会サンカクに積極的でない若者にも居心地のいい場所でありながら、社会「サンカク」するきっかけがある場です。
STEP3.「サンカク」進路相談や仕事・社会人を知るワークショップなどの実施
「タマリバ」で自分の進む道を考えるきっかけを得た若者たちに、社会「サンカク」につながる体験と挑戦の機会を用意。
地域や企業、若者を応援してくださるサポーターの方と連携して、社会や自分を知るプログラムを作ります。
この他にも、「働く」を体験するバイトのサポートや、コロナ禍で住まいを失う若者へ働く前に安心できる住まいを提供する「シェアハウス」
社会が”しんどい” 若者が「働く」を体験するカフェなど、若者にとって必要だと考える活動を幅広く展開してきました。
活動を広げてきた軸にある想い
私は、2008年から日本の貧困問題に関わり始め、なぜ路上生活に至る人がいるのだろうかという関心を活動を続ける過程でもちました。
路上で出会うたくさんの人がこれ までの生い立ちを語ってくれ、その背景には子どものころからの様々な課題の積み重ねがあることを知りました。
その後、小中学生の学習支援に取り組み始めるのですが、高校進学後に教え子たちが、本当にたくさんの課題にぶつかり、必要な支援もまだまだ十分ではなかったことから、私がやろうと決め、団体を立ち上げました。
もちろん、それまで活動していたとはいえ、立ち上げたばかりの信頼できる実績の少ない団体だった当時は、とにかく一人ひとりの支援者と直接つながりをもち、紹介してもらった若者を徹底してサポートしまくる、そのことに集中していました。
それと同時に、団体を立ち上げ、巻き込む人も増え、職員も増え、お金も集めないといけません。地域の企業や大手企業、財団の方々とつながりを作り、支援の必要性を訴え続けていきました。
文字通り、1人1人の若者をサポートし、1人1人の支援者に応援してもらって、私たちは活動を続けてきました。
最初は、目の前の若者のために、と必死でした。
しかし、活動を続けていく中で、出会う若者が求めているサポートや私たちがやるべきことが朧げなから見えてきました。
私たちの活動の作り方はシンプルです。
目の前の若者の困りごとに焦点を当て、同じような若者がいる場合は、活動を作ってしまい、活動をする中で、社会のニーズを確かめて、拡大するかしないかを判断しています。
サンカクシャはこれまでに、居場所作り、家庭訪問、進路のサポート、仕事探しのサポート、住まいのサポートなど様々な活動を作ってきました。
活動を立ち上げる背景にこのような思いがありました。
生きていく意欲、学ぶ意欲、働く意欲が低い若者は支援につながりにくいこと
→そのために、サンカクシャは支援のにおいを出さず、若者が親やすい距離感で関わる大人になろう!
進路のこと仕事のことにばかり意識を向ける支援が多い。ただ好きなことに集中する時間、空間が少ないこと
→居場所を作って、「今」に集中して、自分にとことん向き合ってくれる人がいると伝えていこう!
着るものも食べるものも興味がない。お金を稼ぐ意味を見出せない若者が増えている
→そこまでお金がかからなくても生きていけるだけのつながりや住まいをサポートしよう!
仕事=我慢するものといやいや働く若者が多い
→仕事って本来は誰かの役にたち、その対価をお金でもらうこと、そう感じられないのであれば、仕事も自分たちで作ってしまおう!
親を頼れない若者の一人暮らしのハードルが高すぎる
→親を頼れないのであれば、私たちが頼りになる存在になろう、一人暮らしができるまでの期間、住まいを提供しつつ、仕事と暮らしのサポートをしよう!
このように、目の前の若者、そして複数人の若者を見ていきながら、活動をはじめ、活動毎に応援してくれる支援者を探しにいき、活動を大きくしていきます。
サンカクシャは “ゴール” をどこに置くのか
サンカクシャの行動原理はシンプルです。
でも、こんな活動を積み重ねてくると、段々とサンカクシャが作りたいものも見えてきました。
私たちは、若者が生き抜いていけるために、必要なものが揃っているコミュニティを作りたいんだと活動を通じて徐々に思いが明確になってきています。
人は、人とのつながりがないと生きていけない生き物だと私は思っています。
誰かに関心を向けてもらうこと、誰かの役に立っていると実感できること、生きていくために色々な人にサポートしてもらうこと、居場所や仕事のサポート、住まいのサポートを通じて、こうした人とのつながりを作っていきたい。
そして、サンカクシャにつながればありとあらゆる機会や人につながる、そんなコミュニティを作り、若者をみんなで支え、文字通り生き抜いていけるコミュニティを作っていきたいと考えています。
これまで、人が生きていく上で、基盤となっていた、「家庭」「学校」「会社」のあり方が変わらないといけないタイミングに来ているのかもしれません。
私たちが作るこのコミュニティが分断した人々をつなぎ合わせて、みんなで支えていく新しい地域のあり方を作っていくのではないかと感じています。
でも私たちだけで、できることではありません。
私たちは、活動に共感し、若者のために力を貸してくださる大人を「オトナリサン」と名前をつけています。
このオトナリサンが各地域にたくさんいて、みんながつながり、若者を支えていこうという人が集まったら、本当にたくさんの若者をサポートできると思いますし、たくさんのことができると思っています。
こんなコミュニティをみんなで一緒に作っていきたいです。
ぜひ皆さんに、サンカクシャの仲間に加わって、若者をサポートしながら、新しい地域の支え合いを一緒に作っていけたらと思っています。
ぜひ、サンカクシャと共に若者を支援ください!
サンカクシャは、これまで150名以上の若者と関わってきました。中には、これまでの経験から「将来のために頑張ろう」「困難を抜け出すために支援を受けに行こう」と思える気力を持てない若者が多くいました。
サンカクシャが運営する居場所は、そんな若者たちがまずは目的なくふらっと立ち寄り安心して過ごせる場です。
全ての活動の土台となるこの居場所の運営は、皆さまから寄付で想いを託していただき続けていきたいと思っています。
ぜひ、私たちサンカクシャと一緒に若者がどんな道に進んでも生き抜いていける環境を作るため、マンスリーサポーターに参加し寄付でご支援をお願いいたします。
寄付のお申込みはこちらから(https://www.sankakusha.or.jp/donation/)
なお、マンスリーサポーターになってくださった方、及び、単発で3,000円以上ご寄付いただいた方には、特典としてFacebookの限定コミュニティにご招待しています。
サンカクシャの生々しくもリアルな活動の投稿や、サポーター限定のライブ配信などを通して、サンカクシャの活動をお届けしています。
また、サンカクシャのメンバーズカードを郵送でお届けしたり、zoomなどのオンライン会議で使えるサンカクシャ特製の壁紙画像などもプレゼント!
サンカクシャは、ご支援いただいた皆さまとの繋がりを大切にしていきたいと考えています。
皆さま、ぜひここからサポーターに加わっていただき、共に若者をサポートしていきましょう。寄付でのご支援を心よりお待ちしています。
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ライター
荒井 佑介
代表理事
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2021.10.15