活動報告
2021.11.23
居住支援アップデート奮闘記。「とにかく住まいを確保するための場」から「自立に向けての準備ができる場」へ
東京都北区に、居住支援と居場所を併設して運営している駒込拠点では、何もルールなくとにかく住まいを確保するための場所から、自立に向けての準備ができる場所へ変貌を遂げるべく、試行錯誤を重ねています。
その中の一つの取り組み、就労プログラム。
シェアハウスには、これから仕事を探す若者、アルバイトはしているけど仕事量を増やしていきたい若者、環境に合わずすぐに辞めてしまう若者と、様々な就労の悩みを抱えて暮らしている若者たちがいます。
今後の役に立つプログラムはどんなものが良いか、試行錯誤しながら行っています。
まず最初に実施したのがPC操作、エクセルやワードの基礎。一緒に行うのではなく先に完成品を見せて、それと同じように資料を作成する方法です。仕事は「これやっておいて!」で頼まれてしまうこともあるものですから、自分で過去データをみて考えて作る方が身につくと考えました。
少なくとも1時間くらいかかるかなと思ってましたが、30分で終わりました(笑)
エクセルの関数も、自分でちゃちゃっと調べたらすぐできることがわかりました。
学校でPC操作を学んだり、ゲームなどで日頃からPCを学ぶ彼らにとっては易しい内容だったようで💦
角度を変えて、今度は自己理解につながげるワークをしてみました。
「短所を長所に変えたいやき」というかるたゲーム。
短所と長所が表裏で1枚になっていて、短所の文言をヒントに長所を当てるゲームです。
これ自体は多少の盛り上がりで終わり。。。
そこから他のメンバーの長所だと思うカードをみんなで選びあいました。
これが自分の長所がわからないと答える若者には参考になったようです。他のメンバーが選んでくれた自分の長所をパシャリとスマホに撮影し、履歴書を書く時の参考にしていました。
その後プログラミングの基礎ゲームをやってみたり、いろいろ試行錯誤していますがなんかやらされている感じになり・・・最終的になんだか私のプログラムに若者が付き合ってくれてる感じに(笑)
他にもコミュニケーションワークを行いたいと思いつつ、それぞれが働けるようになるにつれて、みんなで集まることが難しくなり。
「どんなことを学びたいか」を聞くと、動画編集などクリエイティブなものへの興味関心が高く、もう少し専門的な学びの場を作らないといけないなと感じています。
実際にやってみて思うのは、働き先に困っている駒込の若者はスキルがないから働けないわけじゃないということ。
今の社会の中に入っていくとなる時の課題は、スキルよりも言動のほうが大きいと感じます。「ノリ」とかテンションとか考え方とか。社会に馴染むためには修正が必要かもしれません。
でもそれらは彼らの「個性」ですから、それを社会に合わせて失っていくことよりも、極力そのままでマッチできる仕事や環境を見つけれられたらなと思います。
福祉的な気持ちでそう考えているわけでもなく、普通に仕事内容が合うなら私の下で働いてもらいたい(笑)
そう思わせる人の良さを彼らはもっていますし、能力も発揮できるはずです。
これは面接や履歴書ではわからない部分で、なんとも難しい。。。
彼らと関わっていけばいくほど、「雇われる側」だけでなく「雇う側」にも大きな課題があるのではないか、と考えさせられます。
この活動は赤い羽根共同募金様の「居場所を失った人への緊急活動応援助成」を受けています。助成団体様ならびに寄付者の皆様に厚くお礼申し上げます。
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ライター
山崎健吾
居住支援担当
活動報告
2021.11.23